MySQL Cluster7.3では、主に以下の機能が強化されました。
MySQL Cluster(NDBストレージエンジン)では、これまで外部キー制約が実装されていませんでした。
MySQL Clusterの採用を躊躇う大きな要因となっていたことも事実で、これを解消するべく、MySQL Cluster7.3では外部キー制約が使えるようになりました。
これにより、必要なSQLが大幅に減少するため、パフォーマンス向上や開発・メンテナンスの効率化が実現されます。
これまでボトルネックとなっていた、Transporter Mutexと呼ばれるジャイアントロックの問題を解消するため、MySQL Cluster7.3では、このロックをより粒度の細かい複数のロックに分割もしくは置き換えることで、SQLノードの性能が劇的に向上しました。
これにより、SQLノードの数が少ない場合でも、高い性能を出すことが可能となります。
NoSQL APIに関しては、これまでもC++、Memcached、Java、JPA、HTTP/RESTと、各種のAPIを搭載していましたが、MySQL Custer7.3では新たに、node.js向けJavaScriptコネクタが追加されました。これにより、サーバーサイドJavaScriptについても、SQLへの変換なしにクエリを実行することで、応答時間の短縮が実現されます。
MySQL Cluster7.3は、MySQL 5.6と統合されているため、MySQL 5.6で追加・強化された様々な機能が、MySQL Cluster7.3にも反映されています。中でも、バッチキーアクセス(BKA)というJoinアルゴリズムが追加されたことによる性能の向上は大きく、またこれまでのPushdown Joinが制限によって使えない場合に、BKAで補完するということも可能となりました。
これまで煩雑と言われていたMySQL Clusterのセットアップを簡素化するため、Auto-Installerが用意されました。これは、ウィザード形式のGUIで、セットアップ対象のサーバー情報や各種設定を入力することで、環境構築が自動で実行されます。リモートサーバーへのデプロイにも対応しているので、複数台のサーバーをそれぞれ個別に作業する必要もなくなります。