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タスクマイニング
2021.05.20

リモートの新卒研修・OJTの現実と成功のコツ、改善方法を徹底解説

Task Mining

新卒へのOJTなどをリモートでせざるを得ないものの「成立するだろうか?」「過去に実施したが、課題が残った」といった悩みを抱えていないでしょうか?

対面のOJTより劣ると考えがちですが、実はリモートのOJTで約7割が満足のいく結果を出した企業もあるのが実情です。したがって、成功した企業のノウハウを知って実践すれば、新卒社員のOJTをリモートでしても満足いく結果につながると考えられます。実際、成功企業はリモートOJT独特の注意点や課題解決に有効なツールなどを報告しています。

そこで今回、新卒へのリモートOJTをできるようにするメリットや問題点の解決方法などをまとめて解説していきます。

新卒へのOJTをリモートで行えるようにする重要度は高い

新卒へのOJTをリモートで行えるようにする体制を構築する重要度は高いといえます。裏を返せば、「コロナ禍が落ち着けば、これまでどおりのOJTができる。リモートで行える体制を構築する手間をとるのは非効率」と考えるのはもったいないといえる根拠があるわけです。具体的には、以下2点があげられます。

  • コロナ禍による行動制限などは数年続く見込み
  • 副業者への応用ができる

OJTは多くの社員が関与するだけに、リモートで行う重要度を認知してもらい、一丸となって取り組むべきです。上記2点の詳細をわかりやすく解説していくので、OJTに関与する社員に理解をうながしてください。

コロナ禍による行動制限などは数年続く見込み

コロナ禍によるリモートOJTは、少なくとも数年はせざるを得ない可能性があります。新型コロナウイルスの流行防止にともなう行動制限などは、数年間続くとの予測が主流だからです。

実際、21名の専門家の予測をまとめた三菱総合研究所の報告によると、行動制限がなくなる予測が多数派になるタイミングは2024年末です。

年を経るごとに「制限はなくなる」と予想する専門家が増えていますが、「わからない」と回答している専門家も増えており、予想の難しさがうかがえます。「制限はなくなる」という見方は、ワクチン・治療薬の普及による致死率や感染者数の抑制を前提にしています。しかし、変異株の拡大リスクは未知数です。実際、イギリス株やインド株の出現と混乱といったリスクを今後完全に予測するのは不可能でしょう。

いずれにせよ少なくとも数年は行動制限などが行われる可能性が高い以上、リモートで新卒のOJTをできるようにする必要性があります。競合他社でスムーズなリモートOJTができている一方で自社ではできていない場合、売上やシェアに大きな影響が出る可能性があります。

副業者への応用ができる

新卒へのリモートOJTができるノウハウを確立しておくと、今後の労働力維持に大きく役立つと考えられます。というのも、副業者やギグワーカーへの仕事の発注ができるようになるからです。

リモートワークと副業は働き方改革で後押しされており、興味を持つ人も多いの状況です。厚生労働省も副業希望者と実践者の増加を報告しています。

人口減少にともなって働き手が減る中で自社の労働力を維持するために、副業者の活用はぜひともしたいところです。もちろんスキルや専門性が副業者にあっても、研修無しで自社の業務をふって満足いく結果にはつながりません。あるいは、極端に外注できる業務が減って、労働力不足に苦しむことになるでしょう。リモートでの研修やOJTができるノウハウがあれば副業者への指導に応用でき、労働力の維持に期待できます。

リモートOJTの問題点5つ

新卒にリモートで研修をしたりOJTをしたりできるメリットは大きいものの、やはりリモート特有の問題点はあります。リモートOJTに成功している企業もつまずいた点を多数報告しています。集約すると、主に以下5点がリモートでの新卒研修・OJTの問題点です。

  • 観察がしづらい
  • 声かけがしづらい
  • 孤立感や疎外感、不安を感じやすい
  • 生活習慣が乱れやすい
  • 集中できる環境を確保することが難しい

各問題点の詳細を解説していきます。

観察がしづらい

OJTを担当する社員と新卒の両方が観察をしづらいのがリモートの問題点の1つです。オフィスで働いていれば業務プロセスや他の社員とのコミュニケーションなどが確認できますが、リモートで業務とOJTをしていると確認の機会が減ってしまいます。具体的には、以下のようなシチュエーションで観察ができなくなり、なんらかのフォローが必要だと認識しておくべきでしょう。

  • 新卒社員の顔色や心身の調子
  • 業務の進め方や姿勢、理解度
  • 他社員との仲

また、他の社員や新卒社員が観察できる機会も減っています。具体的には以下の場合です

  • OJTをしている最中の様子
  • OJT担当者の仕事ぶり
  • 職場全体の雰囲気や人間関係

観察できないことは、さまざまな問題の発生原因につながる可能性があるので、放置はできません。解決方法は複数あり、詳しくは後述する「リモート研修・OJTの問題解決法5つ」で解説するので参考にしてください。

声かけがしづらい

声かけがしづらくなるのも新卒へのOJTをリモートで行う場合に発生しがちな問題です。オフィスなどでいっしょに働いている場合は、常に声かけできる環境にあるといえます。リモートの場合は直接声をかける機会はどうしても減り、チャットなどでの呼びかけはタイムラグの発生や情報量の制限といった問題があります。

また、観察しづらい問題と合わせて、新卒社員の問題に気づいたときにフィードバックをその場でする機会も減りがちです。新卒社員が聞きたいことを聞ける場も減っているはずなので解決策は必須です。

孤立感や疎外感、不安を感じやすい

リモートワーク全般にあてはまることですが、孤立感や疎外感、不安を感じやすい問題もあります。特に、職場での人間関係を構築できていない新卒社員は孤立感を抱きやすいと考えられます。そもそも入社したての時期はなにかと不安を感じやすいので、きちんとフォローできる体制があることを共有するといった対策をとるのが重要です。

生活習慣が乱れやすい

出社するという行動が減る以上、生活習慣が乱れやすいのも見逃せないポイントです。モチベーションの維持が難しくなるといった問題に発展し得るので、ある程度の時間制限を設けたり朝にミーティングをしたりといった工夫が必要です。

集中できる環境を確保することが難しい

新卒社員へのOJTに限りませんが、集中して仕事ができる環境を確保するのが難しい場合もあるでしょう。当たり前ですが、セキュリティを含めてリモートワークができるパソコンやネット回線が必要です。パソコンなどを会社から支給しているのであれば、リモートでOJTを始める前に配布とセッティングをすませておく必要があります。引っ越しなどで住居環境が変わるなら、リモートワークができる環境は必須と伝えておくべきです。

リモート研修・OJTの問題解決法5つ

リモート研修・OJTの問題点を解決する方法は、以下5つが代表的です。

  • 定例コミュニケーションの場を設ける
  • ツールの活用
  • 指導内容を明確化と共有
  • 課題設定と進捗確認
  • オンライン日報の活用

それぞれ詳しく解説していきます。

定例コミュニケーションの場を設ける

定例のコミュニケーションの場を設けるのは、新卒のリモートOJTに限らず、リモートワーク全般に有効な方法です。朝一番やランチ、業務終了前などに1on1ミーティングを行ったり、自部署のミーティングで新卒社員に話題をふったりすると良いでしょう。また、業務外のことがらを気軽に発言できるチャットを用意するといった工夫も有効です。

ツールの活用

いつ何をしているかを明確に数値化できるツールを活用するのも有効な方法です。具体的なツールとしては、「タスクマイニングツール」があげられます。タスクマイニングツールは、自動でパソコンの操作状況を収集、分析できるツールです。出勤時間の把握や特定サイトへのアクセス制限などもできるので、リモートワーク全般に有効なツールでもあります。

  • また、そもそもは業務状況を分析して、生産性アップやコストカットにつなげるためのツールなので、新卒社員がいつ何をしているかを把握するのにも役立ちます。観察しづらいというリモートOJTの問題を解決するのに、これ以上ないツールといえるでしょう。タスクマイニングツールについてより詳しくは、こちらの記事が参考になります。
  • 指導内容を明確化と共有

    指導内容を明確にして、きちんと共有するのも重要です。その場その場の指導にとどまらず、OJTを終えたときに何ができるようになっていれば困らないかが明確になっていれば、新卒社員の不安は減ります。モチベーションアップにもつながるでしょう。

    したがって、仕事を見せたり同行したりしていれば自然と育つと考えず、きちんとカリキュラムを組むのが重要といえます。もちろんOJT担当者は減りがちなコミュニケーションで意図を伝えるために、自分のすべきことや達成してほしいことを明確にしておくべきです。

    なお、タスクマイニングツールでデータを積み重ねていけば、OJTで達成すべきことが明確になり、カリキュラムづくりに役立ちます。成果を出している社員のスキルの源泉や自社に必要な人材の条件などがわかるからです。いずれは自社独自の強みの獲得や自走する社員の量産につながり、競合他社と差をつけていけるでしょう。

    課題設定と進捗確認

    OJTでの最終的なゴールが決まっていても、小さなステップに分解しておかないとゴールにたどりつけないリスクがあるのは、リモートでも同様です。そこで、ステップごとの課題設定と進捗確認をするのが重要になります。リモートOJTの場合、観察と声かけの機会が減りますが、課題の成果や進捗で観察や声かけの機会を設けられます。

    オンライン日報の活用

    オンライン日報を活用するのも有効な方法です。新卒社員の観察と声かけにつながり、他の社員に新卒社員の状況を知ってもらうツールにもなります。人間関係構築のきっかけや課題の早期発見、報連相のトレーニングになるなどメリットが多いので、積極的にオンライン日報を活用すると良いでしょう。

    まとめ

    新卒へのOJTをリモートで行えている企業は複数あり、リモートOJTをできるようにしておくメリットが複数ある社会情勢です。今回紹介した新卒へのリモートOJTの問題点やその解決方法などを知った上で取り組めば成功確率を高められます。

    ただし、業界や自社特有の事情などがあるはずなので、より良いOJTにする努力はすべきです。具体的にはタスクマイニングツールを導入して自社の課題を突き止めた上でOJTの目標を定めたり、自社の社員の強みを引き継げるカリキュラム作りなどです。

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