DXプロジェクト推進は現状分析が重要!てきとうなツール導入はNG
DXプロジェクトの担当になったものの具体的に何をすれば良いのかわからずに困っていないでしょうか?やってしまいがちな行動として、ITベンダーへの丸投げや目についたツールの導入があげられますが、実はDXプロジェクト失敗につながる典型的な行動です。
一方でDXに成功して最高益を出す企業もあり、DXプロジェクトの成功に必要な要素もわかってきています。具体的には、正確な現状分析と最適な解決手段の発見です。そして、現状分析と解決手段の発見の方法も確立されています。
そこで今回、DXプロジェクトの失敗につながる行動や成功させる方法を解説していきます。明日からやるべきことが明確になりDXの成功、ひいては自社の存続や売上げアップを目指せるので、ぜひ参考にしてください。
ITベンダーへの丸投げや場当たり的なツール導入が失敗する理由
よくわからずITベンダーにいわれるままツールを導入してもDXプロジェクトは失敗しがちなので、やってはいけない行動です。実際、実現したいことをあいまいにしたまま丸投げしてもイメージと異なる結果になったり、部分的に最適化が進んだだけで自社全体の最適化につながらなかったりします。経済産業省のDX推進ガイドラインでも失敗原因として戦略なき行動や部下への丸投げがあげられています。
ITベンダーへの丸投げや目についたツールをてきとうに導入すると失敗する原因は、「今のこういう状況をこう変えたい」という要件定義(達成したいことと実現方法、As-Is / To-Be)をするのが難しいことです。たとえば「AI を使って何かやれ」的なことを指示しても部下は良い結果を出すのは難しいでしょう。
そこで、現状分析をきちんとしてDXプロジェクトの要件定義を明確にしていくのが重要になります。なお、DXプロジェクト自体についての理解を先に深めておくと、要件定義の決定が正確かつ早くできるので簡単に解説していきます。
2つに大別できるDXプロジェクトと進め方の概要
一口にDXといっても「ビジネスモデルの刷新」と「ビジネスプロセス(≒業務プロセス)の刷新」などにわけられます。まずビジネスモデルの刷新のわかりやすい例としては、トライグループの「Try IT」があげられます。
Try ITはスマートフォンで学習ができるようにしたプラットフォームです。基幹事業であった家庭教師派遣事業(家庭教師のトライ)で蓄積されていたノウハウやデータを活かして映像コンテンツを作成。新規事業として成立させたDXの成功事例です。提供している価値(子供の成績向上)や商材(家庭教師による授業)は変わっていませんが、収益化の手段(ビジネスモデル)を新たに作っています。
Try ITの例からわかるように、ビジネスモデルの刷新は新規事業の創出といえます。したがって、最新技術を知った上で従来どおりの新規事業立案の手順を踏めば、ビジネスモデルのDXプロジェクトはスムーズに進められるでしょう。
一方で、多くの企業が目的にしているであろう生産性の向上やコストカット、将来への備えを目的としたDXプロジェクトは、ビジネスプロセスの刷新にあたります。プロセスを刷新するには、どこをどう改善すべきかつきとめなければならいので、現状分析が重要になります。
特に重要なのは現状分析ですが重要なポイントは他にもあり、手順として紹介すると以下のとおりです。
DX(ビジネスプロセス刷新)の手順 | 備 考 |
---|---|
経営トップ層のコミットメント獲得 | blog_intro企業文化や風土の変革が不可欠になるので、経営トップ層がコミットメントを持って取り組む。 |
経営戦略・ビジョンの提示 | どの事業分野でどんな価値を生み出すかを経営戦略・ビジョンレベルで決める。 |
DX 推進のための体制構築 | 各部門のマインドセット、推進・サポート体制、DX実行に必要な人材の確保と育成をおこなう。 |
自社の現状分析 | 自社システムなどを分析してデジタルデータに置き換えつつ、廃棄や見直しをおこなう。 |
ビジネスプロセスのデジタル化と改善 | 必要な業務デジタル化を実現しつつ効率化をはかる。 |
場合によっては新事業への転換 (ビジネスモデルのDX) |
ビジネスプロセスのDX成功にともない新規事業が実現できそうであれば、ビジネスモデルの創出や組織の再編などをおこなう。 |
上記の手順をすべて自社内の人材のみで完遂する必要はありません。ITベンダーなどのノウハウを借りれば効率よくDXプロジェクトを進められます。実際、DXに成功している企業もITベンダーの力を借りています。
まとめ
DXプロジェクトを成功させるには、自社ですべきことは確実におこない、足りない部分はITベンダーを頼るのが重要です。自社でやるべきことをあらためて紹介すると、以下のとおりです。
- ITベンダーへの丸投げやてきとうなツール導入はしない
- DXの種類を理解した上で必要な手順をこなしていく
- DXの成功には現状分析が最重要
- 業務の現状分析をするならプロセスマイニングをするべき
ハートコアは実績豊富なプロセスマイニングツールを提供しており、活用方法からDXの最終的なゴールまで1社1社にあわせて提案しています。働き方改革やテレワークの管理などにも効果を発揮するので、ぜひお問い合わせください。