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インタビュー
プロセスマイニング
2021.03.09

プロセスマイニングのよくある失敗事例2つ
― インタビュ ― 失敗から成功条件を探る

「プロセスマイニングは有効そう。しかし確実に成功するわけじゃないよね?」「よくある失敗事例を知りたい。導入するかの判断につながる」「リスクは知っておきたい」などと考えていませんか?今回、プロセスマイニングツールの導入や課題解決の支援をしているハートコア株式会社の方にお話をうかがいました。

お話をうかがったのは、宮田英一さんと島口直美さん。宮田さんは、CMS事業の責任者兼プリセールスを経てDX事業の責任者をしており、プロントからサポートまで広く領域を担当しているとのことです。島口さんは、CMS事業の導入PMを経てDX事業のマイニングツール導入PM兼コンサルタントとして、これまでの経験を活かした業務マイニングの分析フレームワークを作成されている方です。

宮田英一さんと島口直美さん

導入企業によってプロセスマイニングがうまくいかない細かな理由はさまざまですが、よくある失敗の原因は以下2つとのことです。

  • プロセスマイニングのチームが発足されていない
  • チームにリーダーやデータ評価をできる人がいない

インタビュー内容からどういう状況だと失敗しやすいのか、そして成功するには何をすべきかを確認していきましょう。

プロセスマイニングするチームが発足されていない

―― ある程度プロセスマイニングの仕組みやメリットを知っている人が、リスク回避をしたいと思った場合、まず知っておくべきこと何でしょうか?

宮田さん:お客様にチームを作っていただくのが重要です。チーム内にいない部門との確認事項などが発生すると、データ(イベントログ)が取れないといった問題が発生します。たとえば「IT部門と会話ができないんですよ…」といった具合です。

逆にIT部門だけだと、「業務担当の人に実情を聞いておきます」となったまま時間だけが経過していくといったケースもあります。IT部門の人だけだと取得した業務のデータを取得してもあっているかどうかが分かりません。

私達もチームとしてプロジェクトを進めていくので、企業様のほうもたとえばIT部門の方と各部門の業務責任者の方などが参加するとうまくいく確率が高まります。業務をうまく可視化できなかったり、可視化しても的を射ているかが分からなかったりといった問題を回避できますので。

チームにリーダーやデータ評価をできる人がいない

―― ツールを担当する人の他に、データの解釈や解析をできる人が必要ということですか?

島口さん:特別なスキルとまでは言いませんが、データを見て「なぜこうなっているんだろう?」と思える感覚や想像力のある人は必要です。

あとは専門知識も重要と言えます。私達はツールの使い方やデータ取得の支援はできますが、全業界・全業種の専門的な知識はないので、「一般的にこの業務にここまで時間はかからないのでは?」という疑問が持てない場合もあります。データはお出しできても、それが良いのか悪いのは判断できない場合もあるわけです。コンサルタントが入るケースもありますね。

―― コンサルタントがチームに入る場合もあるのですね?

島口さん:あります。業務視点でデータを評価してもらったり、現場の人へのヒアリングをしてもらったりします。要するに、業務のあるべき姿が分かっている人が必要です。

―― 「データは出した。で、評価は?これから何をする?」というケースがあるということでしょうか?

宮田さん:実際にそういうケースもありました。そういう意味では作業の直接の指示者・上長の協力も必要になります。本来の割り振りどおりにいっていないデータが出たときに、おかしいと気づけませんので。

島口さん:タスクマイニングの要素もからんできますが、たとえば指示としてはAさんとBさんに作業をきちんと割り振ったのに、データとしてはAさんがBさんの業務をしてしまっていると出ているケースもあります。

上長の方が見ればおかしいと気づけますが、確認されないまま話を進めてしまうと業務のあるべき姿に修正できないままプロジェクトが進んでしまうわけです。本来は、あるべき姿でない現状に気づいた上で「Bさんのスキルが低いのか?」「指示の仕方が悪いのか?」といった仮説を立てていかなければいけません。

―― ありがとうございました。

まとめ

よくある失敗事例としては、

  • プロセスマイニングのチームが発足されていない
  • チームにリーダーやデータ評価をできる人がいない

の2つが多いとのことでした。

逆にいうと上記2点を防止できればプロセスマイニングの成功確率を上げられ、プロセスマイニングで成果を上げられる可能性は高く、費用対効果も良好と考えられます。チームの発足と必要なメンバーをそろえられそうかをよく確認するのが重要と言えそうです。

HeartCore社では、実績豊富なプロセスマイニングツールである「myInvenio(マイインヴェニオ)」の販売や業務改善の支援をしています。より手軽なツールとして、PC操作ログを収集できるタスクマイニングツール「CONTROLIO(コントローリオ)」も提供しているので、ぜひお問い合わせください。

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