ABテストとは?
読むだけで自然に理解できるABテストの基本とやり方
みなさんは、ABテストに取り組んでいますか?
ABテストは複数のパターンを用意した上で、どちらが効果的か調べるテストのこと。
企業がマーケティングで取り入れる場合には、どちらの施策が効果的か確認するために使用します。
Webを使えば最短で結果がでますし、より良いサービスやコンテンツに磨き上げることができます。
ABテストが良くわからないという方でも、簡単に理解できる基本とやり方を見ていきましょう。
もくじ
ABテストとは?
ABテストは、スプリットランテストとも呼ばれる、Webマーケティング手法のこと。
題材や条件を設定した上でいくつかのクリエイティブパターンを作成し、ユーザーを半数に振り分けて、クリック率やコンバージョン率を確認していくテストです。
簡単にいえば、A案とB案を用意して、ユーザーの投票(クリックやコンバージョンなど)が多かったほうを採用しようというもの。
以前から、紙のダイレクトメールでも行われてきましたが、Webマーケティングで実践されることも増え、サイトを改善する際に、取り入れられることが多いでしょう。
初心者でも手軽に実施できることがポイントであり、広告のようにコストをかけずにコンバージョン増加が見込めます。
ABテストはなんのためにする?
ABテストは、効率的にクリック率やコンバージョン率を改善するために行います。
これは有名な話ですが、2008年にはオバマ大統領がABテストを行なっています。
当時はまだ、オンラインのABテストツールが存在しなかった時代であり、かなり実践的な取り組みと言えます。
オバマ大統領のホームページでは、トップページの画像やコンバージョンボタンのデザインを、ABテストを通じて最適化することで1.4倍の成果を出すことに成功しました。
メール会員数は1,000万人を突破し、ボランティアスタッフは約100万人、寄付金については2億ドル(200億円)を超える金額になったといいます。
ABテストを行わなかった場合の数値と比較すると、大幅に増加していることがわかります。
- 会員数:約300万人分のサインUP増
- ボランティスタッフ数:約28万8,000人増
- 寄付金:約6,000万ドル増加
ABテストを行うことで、これほどの結果を出せるわけですから、マーケティングに取り入れない理由はないでしょう。
トップページの画像を動画にするテストも行っていましたが、最終的には画像が勝利するという結果も得ています。
当初、動画をトップページに掲載することを考えていました。画像より動画の方がコンバージョンに繋がりそうな印象があるため、動画を選んでしまう人が多いでしょう。
しかし、実際のテストの結果は画像のほうがよかったということですね。もし、ABテストを行わなければ、オバマ大統領がここまでの寄付金を集めることはできなかったかもしれません。
ABテストはどんなことができる?
ABテストの有用性が理解できたところで、ABテストではなにができるかを見ていきます。
様々なテストが行えるため、1つずつポイントを押さえていきましょう。
ファーストビューコンテンツ
ABテストの実施では、何よりも「ファーストビューコンテンツ」のテストを行います。
ファーストビューとは、ユーザーがあなたのページに訪れた際、最初に表示される場所のこと。 または、「ユーザーが最初に目にする場所」と考えてください。
初対面の人と会うときも同じですが、「第一印象」は何よりも大事ですよね。
その人の印象が固まってしまうため、ファーストビューを意識することが大切となります。
あなたのコンテンツを見に来るユーザーが、どんなコンテンツを喜ぶのか、いろんなパターンでファーストビューを試してみましょう。
イメージ画像
ファーストビューを意識するのであれば、イメージ画像を意識することが大切です。
イメージ画像はトップページとは違い、広告や検索結果内の画像に表示されるもの。
ユーザーが最初に見る場所です。
イメージ画像を見たユーザーが、「こんなコンテンツなんだろうなぁ」と興味を持って、 アクセスしてきます。
しっかりとコンバージョンに繋げるためには、ABテストを意識してみてください。
いくつものイメージ画像をABテストすることで、コンバージョンに繋がるパターンが見つかるでしょう。
CTAコピー
CTA(Call to Action=行動喚起)ボタンは、ユーザーがコンバージョンする際に、必ずクリックするものです。
ボタンをクリックしてもらうために、ユーザーの興味を惹く必要があります。
例えば、「デートを成功させる10個のマル秘テクニック!」の販売サイトがあったとして考えてみましょう。
ボタンをクリックしてもらうために、ユーザーの興味を惹く必要があります。
例えば、「デートを成功させる10個のマル秘テクニック!」の販売サイトがあったとして考えてみましょう。
「資料請求はこちら」「マル秘テクニックはこちら」と書かれているCTAを用意したら、あなたはどちらのボタンを押しますか?
「マル秘テクニックはこちら」と書かれている方が興味を持ってしまうでしょう。
もちろん、「資料請求はこちら」を押すという人もいるでしょうが、多くの人は「マル秘テクニックはこちら」を押すはずです。
たった一つのキャッチコピーだけで、コンバージョン率は大きく変化します。
どんな文章を書き込めば、ユーザーの興味を惹くのか、ABテストで分析してみてください。
CTAボタン
CTAボタンをテストするなら、文章だけではなく、配置や配色などのレイアウトも重要なポイント。
例えば、お気に入りの缶コーヒーを購入しようとして、コンビニに寄ったとします。
どれだけ店内を探してみても、缶コーヒーが見つかりません。
「時間もあまりないし、店員に探してもらうのも悪いから」と、そのままコンビニを出てしまうことってありますよね。
これと同じように、CTAボタンのレイアウトは、コンバージョン率に大きく影響してきます。
先程の例で考えてみると、「ここに缶コーヒーはあるよ!」とアピールすることで、確実に缶コーヒーが1本は売れたのに、非常にもったいないと思いませんか?
あなたのコンテンツを見に来るユーザーが、どんなCTAボタンを好むのか、しっかりと意識して設定してみましょう。
大見出し・サブ見出し
大見出し・サブ見出しは、ユーザーがよく目にする場所になります。
例えば、朝電車に乗っていて、なんとなく「地球の人口って何人くらいなんだろう?」と考えたとします。
スマホで「地球 人口」と検索したときに、「世界の人口は○○人!」という記事を見つけて、アクセスしてみました。
大見出しを見てみると、「人口って何?」、小見出しには「日本の人口は何人?「世界の人口は何人?」と書かれてあると、「あーもうじれったいな!違うページを見に行こう」と感じてしまいませんか?
ちなみに世界の人口は現在、約80億人と言われていますが、すぐに結果を知れないとユーザーはサイト離れを起こしてしまいます。
そこで、大見出しにはユーザーが求めている内容、サブ見出しで結論を書いていくことを意識しましょう。
テキストの段落
さて、見出しまでABテストが終わったら、段落のABテストを行っていきましょう。
文章というのは、スペースや改行の使い方だけで、ユーザーの見やすさ・読みやすさが変わってくるものです。
「この段落分けはどうなんだろう?」「ここで改行して文章を区切ってみよう」と、ユーザー目線を意識してあらゆるテストを行ってみてください。
リンク
ユーザーにコンバージョンをさせたいのなら、外部リンクを減らすのも一手です。
あなたのコンテンツにコンバージョンさせたいのに、「こっちのリンクが気になるな」とページ離れをされてしまっては、コンバージョンには繋がりません。
「リンクを回っていたら、さっきの商品がわからなくなった」なんてことにもなりますので、ユーザーが興味を持っているのにコンバージョンに繋がらなくなります。
外部リンクを用意するのなら、ユーザーがわかりやすくサイト巡回できるようにしておきましょう。
カスタマーの声・SNSの引用
ユーザーのコンバージョンを狙うときには、第三者の声が大きな力となります。
「あそこのランチ、おいしいんだって!」「これおすすめだから使ってみてよ!」
誰かにおすすめされたときは、ついついその場所に行きたくなるし、それを使ってみたくなりますよね。
口コミ・レビュー、SNSの引用を利用するときには、効果的なタイミングを考えることが大切です。
「お肌のキレイなあの子も使ってる化粧水があってさ、実はこれがその化粧水なの!」
「この化粧水はお肌をキレイにしてくれる魔法の化粧水で、あなたと同じように肌に悩んでいる方にはっきりと効果が出ている商品なんです」
どちらもあなたの背中を押してくれる言葉です。
ユーザーがどちらの言葉を、どのタイミングで言うことがコンバージョンに繋がるのかはわかりません。
効果的な使い方を分析するために、ABテストを活用していきましょう。
社会的証明、賞・セキュリティバッジ
社会的証明というと難しく感じるかも知れませんが、著名人のおすすめ文がイメージしやすいです。
「○○の第一人者!〇〇先生がイチオシ!」のように書かれていると、不思議と信用を置いてしまいますよね。
もちろん、著名人であればいいので、芸能人やスポーツ選手も効果的です。
「みんなの口コミも良いし、こんな人がおすすめしてるんだから、良いものに違いない!」
不思議とこう考えてしまうものです。
さらに、「○○・セレクション金賞受賞」の食品と書かれてあると、良い物だと感じてしまいませんか?
もちろん金賞を受賞している食品ですから、良い物には違いないです。
しかし、本当に食べてみないと、心の底から良い物とは言えません。
どちらにしても、「○○・セレクション金賞受賞」と書かれていると、ユーザーは良い物だと感じてしまいます。
コンバージョンに繋げるために、ユーザーの背中を押せるような「信頼性」を意識した情報を掲載してあげましょう。
また、ABテストを行うのなら、HeartCoreを利用してみてはいかがでしょうか?
HeartCoreには、アクセス分析機能が付いているため、ユーザーの分析を明確に行えます。
「画像」「キャッチコピー」などをあらゆる選択肢から選び、主観を排除したABテストを利用できます。
収集したデータから価値のある結果を選択し、不特定多数への検証でも、適切な改善方法を教えてくれるでしょう。
少数派に対する最適な改善方法も見つけ出してくれるため、あらゆる検証が行えるCMSとなっています。
ABテストのメリットは?
ABテストは、大規模な予算を必要とせず、実施できるメリットがあります。
ユーザーの反応を見るときには、大幅なサイトリニューアルを行い、変化を分析していくものです。
しかし、ABテストを行えば、徐々に問題点の分析・改善が行えます。
動物園に例えるとわかりやすいのですが、動物園の売上を伸ばすために、すべての動物を入れ替える必要はありません。それより、1匹だけ変えてみたり、新しい動物を1匹入れてみたり、小さく改善できることはたくさんあります。
結果的に、「大幅なリニューアルをしなくても改善された」なんてことも考えられるので、事前にABテストを行うべきでしょう。
また、実施工数が短期間であることも大きなメリットとなります。
ABテストは、その場で小さな改善を繰り返して検証していくテストなので、手軽に実施できます。
ABテストのデメリットは?
ABテストはメリットが豊富にありますが、もちろんデメリットもあります。
「どんな理由により成果が出たのか」を検証しなければなりません。
しっかりとした仮説を持ち、正しく仮説を作れないと、分析が行えないでしょう。
また、一定数の分母が必要になることもデメリットです。
ABテストはいくつかのデータを比較検証するため、効果的だったのはどちらなのか、把握しなければなりません。
ユーザーは最低でも100人、PV数なら最低でも2000は超えておかないと、検証までに時間が掛かるでしょう。